野村明大解説委員への質問
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野村明大解説委員への質問

6月16日に野村明大解説委員(読売テレビ)がツイッター上において行った発信について、言及されている「文化人」と考えられる三浦瑠麗として、質問いたします。

野村解説委員(@nomurameidai)は、下記のようなツイートを6月15日にしました。

人流を減らしても感染者が減るわけではない…とかテレビで堂々と言ってしまう文化人がいて、もう啞然ですね…
人流を減らすことがベスト選択かは分かりませんが、感染者が減ることは“絶対”です。
言論の自由は大切ですが、この程度の人が公然と発信することは、害悪だと思います(絵文字)

https://twitter.com/nomurameidai/status/1404700887423983620

これはデイリーという媒体がフジテレビ系列で6月15日火曜日放送の「めざまし8」で行った三浦の発言を記事にした、ウェブ記事「三浦瑠麗氏「人流減らしても感染者減るわけではない」「分科会も分からないこと多い」」(2021年6月15日付)を受けてのツイートであると考えられます。

大手メディアで報道に携わり、解説委員を務めるパブリック・フィギュアが発信することには公的性格が付きまといます。また、当該ツイートは報道や政策検証のあり方に対する野村解説委員の考え方を内包していることから、見解を求めるものです。

三浦は6月15日放送の「めざまし8」において、下記質問事項①の内容に基づき発言しました。ところが野村解説委員のツイートは、三浦の発言を確認したうえでのものとは思われず、また三浦が番組内で述べたことを反映したデイリーの記事部分についてさえ、三浦主張の論拠や取材内容などに一切批判を加えることなく、三浦を公の言論空間から追い出したいという願望の表明および誹謗の形でなされました。

スポーツ紙やウェブメディアがキャッチーな見出しを掲げて衆目を集めようとすることは日常茶飯事であり、それが言葉足らずであることは三浦の責任ではありません。メディアに長年勤める者は、当然そのことを分かっているはずです。であるにもかかわらず、三浦が述べた論拠を批判することなく上記ツイートのように述べることは「論評」「批判」の域ではなく、過失として看過されるべきものではありません。具体的な質問事項は以下の通りです。

人流そのものが直ちに感染拡大をもたらすものではないということは専門家によってたびたび指摘されていることであり、実際のデータ分析において人流と感染者数をとっても常に相関があるとは言えない。また人流を減らしても、(潜伏期間がたっても)感染が減少せずに急拡大を続けた各国の事例は多々存在する。緊急事態宣言が解除されたとしても、感染対策については続けるということを三浦は番組内で述べている。個々人が感染対策をすることにきちんと注意を払ったうえで、政策検証や政策提言の意味で人流抑制策の効果に対して異論を述べることは「害悪」にあたると考えるか。また、もし「害悪」にあたるとすれば人流抑制策は一切検証できないことになるが、その場合のメディアは報道の自由をきちんと行使していると考えられるか。

② 三浦は分科会のメンバーに話を伺い、人流と感染の増減の相関について質問しているが、三浦の①に述べたような意見は否定されていない。その中で、東京と大阪で第四波における感染の違いをもたらした原因に関してはまだ分からないことがあることを分科会のメンバーは認めている。このような取材結果を番組で述べたが、それは「害悪」にあたると考えられるか。

三浦が述べてきたように人流抑制策には副作用としての大きな経済社会被害が存在するが、それを甘受して多くの誠実な業者や市民が要請に協力している。しかるに、大手マスメディアは報道という重要な社会インフラを提供しているため、比較的多くの割合でリアルな通勤やロケ、取材などを行うことができている。そのような特権的な立場にあり、それだけ言論空間の多様性を維持することに重い価値を担っている立場にある者として、三浦の①及び②のような意見がマスメディアで表明されることを「害悪」だと表現した自らの行為は著しく不適切だとは思わないか。

デイリーの見出しが言葉足らずであることは三浦の責任ではないが、仮にその見出しを読んで「人流が増える」ことを懸念したのであれば、デイリーに苦言を述べるのではなく三浦の発言を攻撃対象としたことについて、解説委員としての行動にふさわしいと考えるか。

以上、6月19日までに弊社HP(https://yamaneko.co.jp/)のお問合せ窓口まで、あるいは文書で郵送でのご回答をお願いします。

2021年6月17日

山猫総合研究所代表 三浦瑠麗

三浦瑠麗。山猫総合研究所代表。代表作『21世紀の戦争と平和』、『シビリアンの戦争』。自伝的エッセイ『孤独の意味も、女であることの味わいも』、『私の考え』、近著に『日本の分断-私たちの民主主義の未来について』(文春新書)など、著作多数。